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初学者と見る町田・並木理論*1
内容は保証しません。
1. 準備
運動量として、とを取るような粒子について、
みたいな状態を用意する。
で、磁場やら何やらをかけて、これら2つの状態を分け、その先に検出器を置いておく。
つまり、
こんな感じ。
検出器Aは、
という感じになっていて、幅で、目盛りがを指している車が検出器として置かれている。ここに粒子が衝突すると、
というように、粒子は逆向きに運動量ではじき返され、車は運動量を得て動く。この車の運動を観察することで、粒子の運動量を観測することが出来る。
(検出器Bも同じような感じになっている)
※なお、とは、ミクロ的な変数とする。
2. 計算
ひとまず、検出器Aの方を計算してみる。
車の中心から粒子までの距離をとし、運動量はで書き換えておく。
の地点で、波動関数が全部反射されることになるため、波動関数には
のような要素が含まれているはずである*2。
で、反射前と反射後を比べると、
反射前が
反射後が
みたいな感じになるため、それぞれ代入して比較すると、だいたい倍になっていることが分かる。
なんかこう、的な?*3
なので(?)、反射前後の状態の変化を変数で展開したようなヤツは、
みたいな形をするような気がする*4。
ここで、とあるマクロ変数を入れて、
という恒等式が作れる。
ここから、適当に移項を行って
とできる。実際のところ、となっているはずなので、
ここに出てくるは、車をマクロから見たときの長さとする。
ミクロ的な変数とマクロ的な変数を考慮することが重要らしい。
で、さっきの式に放り込んで、
なんか計算をすると*5、
となる。
たぶん、検出器Bも似たような感じになる。
で、密度行列の干渉に関わる箇所を計算しようとすると、
という項が出てくることになる。
3. 特殊な仮定
先ほど、ミクロ的な変数とマクロ的な変数を用意したが、
現実の測定では,マクロ的尺度の上で行われるのだ.マクロ的尺度上の点はミクロ的には(原子サイズよりも)かなり大きな領域を覆っている.したがって、マクロ的測定によってマクロ的尺度上で測る厚さと指針位置は,上記のとそのものではなく,とをそれぞれ‘ある幅’とで平均したものでなければならない.
(量子力学における観測理論Ⅱ p.40)
という訳で、とのブレる割合を与える関数を導入して、
を掛けて、で積分するという操作
をすることで平均を行うことが出来るはず。
さっきの式でそれを行うと、
という要素を含むと言える*6。
ここで、がすごく大きいとする。
もっと言うと、と見做せるとすると、
となる(リーマン・ルベーグの補題)。
ということで、この仮定のもとでは干渉に関わる箇所が消えることが示せる。
4. まとめ
...計算あってる?
*1:町田茂・並木美 喜雄 (1980)「量子力学における観測理論」『科学』Vol.50, No.12, pp.769-767
町田茂・並木美 喜雄 (1981)「量子力学における観測理論」『科学』Vol.51, No.1, pp.36-45
Shigeru Machida, Mikio Namiki (1980) "Theory of Measurement of Quantum Mechanics: Mechanism of Reduction of Wave Packet. I", Progress of Theoretical Physics, Vol.63, Issue 5, pp.1457-1473
*2:とならないと、粒子が跳ね返らずに箱の中に侵入してきてしまうため
*3:理解していない
*4:正しいものと形が違うのは、私が理解していないためです
*5:なんか積分記号とがあるので、たぶんδ関数あたりを経由するんじゃないかと思ったんだけど、自信がない
*6:のか?